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2013
07.26

千夜一夜のプラットホームで

猫の郵便については はじめにを是非ご覧ください。アーカイブはこちらです。 33℃

大マゼラン星雲556

【千夜一夜のプラットホームで】人生は「怪奇と幻想」の中を吹き抜けてゆくようなもの。
そう思えば、行く道々で何が起ころうが不思議なことは何もない。
あるがままに出会い、なすがままに別れを告げ見送りの手をふる。
あるがままに受け入れ、時のなすがままに何もかもが光の速度で遠ざかってゆく。ただそれだけのこと。

生きるとは「怪奇と幻想」に満ちた世界を唯ひたすらに吹き抜けてゆく、そういうもの。
何が起きても不思議はないさ。怪奇と幻想に埋め尽くされた「ほぼ無限の大宇宙」を旅しているのだから。
銀河鉄道の窓に映る幾億千万の星々の夜と手元の明かりが照らすひそやかな一夜。
千夜一夜のプラットホーム、恐がって「時の列車」に乗り遅れたり、勢い込んでけつまずいて気づかずに「行先ちがいの列車」に揺られていたりして。・・・赤鬼/青鬼、千の鬼たちが行き交う夜を渡っている。

風のない夏の夜更け。「エクスキューズ ミー。エクスキューズ ミー!」と遠くから声が聞こえてきた。近づいてきた声の主は青い夏服を着た人間のお巡りさんだった。若いお巡りさんはこの蒸し暑さで額に玉の汗をかき、息を切らせ「スイマセーン ジーテンシャヲ ワーキーニ ヨーセテ クーレマセンカー? アナータハ キ~カサーレタカータデスカー?」。はい、毎度おなじみの職務質問のお仕事です。
多い年で優に年間60回を超える職務質問の呼び止め。こちらが日本語で話し出すと、お巡りさんは安心したのか変なイントネーションの日本語をしまい込み、生まれや今の住所や国籍や親の国籍や職業などの身辺調査に話を移していった。

話の埒がいつまでも開く様子がなかったので、唐突に言葉を英語に切り替え「Pardon?」と語気を強め、ゆーっくり単語を区切り「I gave my vote to Taro Yamamoto last Sunday.I have the right to vote in Japan,you know.」と投票する仕草のジェスチャー入りで“Taro Yamamoto”と“Japan”を大げさに強調し諭すように話しかけたら、若いお巡りさんは調べるはずの自転車の登録番号の確認も忘れて「I know,I know」と肩をポンポンと軽くたたいて銀河のもくずとなり彼方へ遠ざかっていった。

お巡りさんが消えてゆく先を見つめよぎりきた思いは、「いつかこの国の憲法が変わり、言論の自由も表現の自由も基本的人権もなくなり、公職の係官や警察の力が絶大になれば、外暮らしの猫たちを支え巡るこの生活は抜き足差し足のつま先立ちを宿命とするようになるのだろうか?」という不安の渦巻きだった。
生きるとは「怪奇と幻想」を時間旅行してゆく旅であったとしても、「怪奇と幻想」がファンタジーではなくなり、「恐怖と不安」だけにおびえる戦慄の色を濃くしていったらと思うと、未来予想図の外猫たちの悲鳴や悲しみに、それはもうやりきれない涙しか出ない日々を暮らすようになる。

人生は「怪奇と幻想」の中を吹き抜けてゆくようなもの。この言葉にファンタジーあふれる夢の力が失われることがないように、銀河鉄道の小窓からカーテン越しにでも政治や社会の天気図を忘れずに確認していなければと思っている。
言われなき罪で行動を制限されたり、ほんの一言で身柄を拘束されたりする社会では、個性や生き方は一つの色に塗りつぶされ、その先に生き生きとした命の道なし・・・


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