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2014
06.01

手首の傷口が思い起こさせる猫たちの死の床

猫の郵便については はじめにを是非ご覧ください。アーカイブはこちらです。   33℃~21℃ 

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手首の傷口が思い起こさせる猫たちの死の床】肘から下の全体がボァーンと腫れ上がっていた手首の負傷。腫れは少しずつ引いて行ってくれ、真っ赤な炎症が残っているのは患部周辺直径20センチくらいになった。
しかし、患部中央グランドゼロから大中小の痛みの大砲が常時あっちこっちにキューンとかドカーンと打ち放たれる。筋に、指関節に、リンパに。
手袋が出来ない。ポケットに手を入れられないのはいまだそのまま。寝転がっているのが一番痛みが少ない姿勢なのだが、病人然としてはいられない事情がある。
♪ 可愛い80匹の子がいるからよ~・・・まちの古巣へ行って見てごらん まるい目をした いい子だよ~ ♪ 
これは、生きて口を開けて待っている命相手の活動の宿命である。

傷口が三カ所、火山の噴火口のようになっていて、外から帰り包帯を取ると、随時そこから膿が吹き出ている。鼻を近づけると独特な臭いがする。組織が腐った臭いだ。
痛みをこらえて指で周辺を押え、悪い膿をギュッと出す。そして、その臭いは折々の思い出につながって行く。
死んで行った猫たちそれぞれが死の床で発していた臭いに似ているからだった。
医者が匙を投げた猫の病気。その瞬間から坂を転げるように衰弱が死を引き寄せて行く時、運ばれて来るのが一様にこういう臭いだった。
組織がどんどんゝ駄目になって行くのを、追いかけても、追いかけても、追いつくことが出来ないで、両腕に抱き死んで行った猫たちの夢を見ていた。
・・・夢から醒め、我に返った時、手首の傷口が鼻のそばにあった。

2年前の6月。確か週末だった。いつもの現場にいつものようにたどり着き、藪を抜けて行くと、ロロと名付けた猫さん専用の給食場所で、ロロさんは自分専用の水と猫弁当のそばで倒れ死んでいた。遺体はむごたらしい有り様だった。腹を中心に真っ黒く焼けこげたように、それはまるで爆発の後のようだった。えっ誰かに虐待されたのかと思ったが、それは違った。体内の腐敗がたまって起きる死の爆発だった。
体の組織内部を腐らせながらも最期のギリギリまで持ちこたえ必死で生きていたのだろう。だから、それで、死後の爆発が急速に来たのだろうか。そう思った。
前日にはそこにロロタンの遺体はなかった。人が入って来る所でもない。だから、誰かがそこにロロタンの遺体を移したとは考えにくかった。
ロロタンは馴染みの場所まで這ってたどり着き、そこで事切れ死んだのだと思った。胸が痛くなった。
よく獣は死の姿を見られないように身を隠すというけれど、ロロタンの意志は逆のコースをたどった。

んー、むずかしい子でね。人馴れしなくて。5年の付き合いなのに、3m~5メートル内の距離まで近づくのを決して許してくれなかった。弁当を置いて立ち去るのを見計らって、カサコソと森の落ち葉を踏んで歩くのをいつも背中で聞き感じるしかなかったのがロロタンとの関係。体が悪かったのは薄々分かっていたが、どうすることも出来なかった。

外界や人を極端に嫌っていたロロという猫。外猫生活の終わり、享年7歳~8歳くらい。病気ではあっても、森の中のフクロウのように眼光鋭く、人見知りはするけれども、いつも私はロロタンにしっかり行動をチェックされていた。
うれし悲し、悲しうれし、ロタンを初めて抱っこしたのは死んだその時。

今、ロロタンが死んでいた“森の聖地”を通り抜ける時、そこに立ち頭上を見上げると、森の背の高い木々と大きなコンクリートの壁が綾なし、カテドラルのような円天井を形作っているように見え、いつも神聖な気持ちにさせられている。
そして、「私はロロタンに愛されていたんだ。あれがロロタンの表現の仕方、あれがロロタンの愛し方」と二年の歳月でそう感じるようになった。
ロロタンが死んだ6月。その6月がまた巡って来た。近くではしっかり二匹の猫さんが今も元気に生きている。
何があっても外猫活動は続いてゆく。責任が終わるその時まで。


 写真のロロタン。活動当初に携帯で撮影。この頃が一番近づけた。しかし、これは写真の中の小さな一部をトリミングしたもの。この写真のボケ具合がロロタンとの関係のむずかしさを示している。ロロタンは、その後ある事情があり、暗い森の奥へ奥へと所を変えて行った。ある事情についてはいつか機会のある時にでも。


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