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2016
08.20

地域猫一匹🐈夏の街に死す

Category: 訃報と祭壇
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夏の顔(かんばせ) ひまわりの小道 のぼっていった



【地域猫一匹🐈夏の街に死す】地域猫の中には人馴れした保護可能な猫と、遠巻きにして人馴れせず近寄れないタイプの猫がいる。麻布某町「坂の町」に白猫と行動を共にしていた黒と白のタキシード模様の猫がいた。白猫は愛想が良く人馴れ十分、しかしタキシード猫は9年この方むずかしい猫を通した。そしてタキシードの様子が食欲なくチンマリ佇むようになったこの夏、あの手この手で保護しようとしたが、一週間前に甲斐なくプッツリと姿が途絶えてしまった。ビルとビルとビルの密集地に探すに見当つかない思いでいる。

ノラ猫の仔として生まれた9年前、路地猫30匹のひしめき合いから逃れ、道路を一越えして移住して来た賢い子猫だった。9年間で一度も欠席の日はなかった。町が雪に埋もれる日も、嵐になぶられる日も、祭の騒ぎに空気埋め尽くされる日も、会わない日は本当になかった。素通りの町の裏路地、人馴れしない老いた猫に、情けをかける人は多分いない。だからもうきっと死んだんだろうと思うしかない。ビルのすき間迷路のどこかで。

通称やくざ通り。一人の不良エサやりがTNRを拒絶して問題を大きくしていた。そして割って入って問題を鎮火したのだが、9年苦難のこの道、火つけた当人は逃げ、ある人たちからは頭ごなしに怒鳴られっ放しだった。TNRするのも困難を極めた。だから夜更けて町静まる時を見計らい風のように現れ、風のように去る術が身についた。「タッチ&ゴー」の年月と活動だった。猫たちと打ち解ける欠片ない接触。それがいけなかった。

これまでタキシードと眉墨の白猫が暮らした町からは相当数の猫を保護した。町猫と路地裏で融和する時間を持てたあの頃なら・・・。素手でみんな保護できた。しかし地下鉄二路線が開通して牧歌は只の商業街へ、取り壊し再開発が進撃する中で「日本のチベット」と言われた町はギスギスの一途、「ぶつからないのが延命の花」と地域猫活動は悪いことをしているかのように夜風と共に去りぬのさま。そうしてココットくんを見失った。

ココットくんがいなくなる戻ってその日の昼のこと。病気の猫がいるから保護の手伝いを、その直ぐそばに仕事を持つ人に、地域猫のガイドをした過去の経緯(いきさつ)があって、少しでも良いから「時間提供してくれないか」とお願いの電話を入れた。けれど言葉多く並べ立てられ〝取り付く島〟なく断られた。人とはそういうもの。悲しかった。また猫に教えらえた。ひまわり咲いて日が暮れて、夏の煙に消えたココットくん🐈RIP


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東八幡キリスト教会/奥田知志牧師の言葉

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