猫の郵便 プラットホーム

【猫からの手紙】一年が過ぎるのは実に早い。もうクリスマスカードを用意する季節がやって来た。クリスマスカードは、ご支援を頂いている方々に一年にたった一度の恩返しが出来る機会、どんなに忙しくても「ガンバらなねばーギブアップ」とガンバらねばーです。しかし、連絡無精な不心得者の自分と違って、外の猫たちは筆まめに必ず置き手紙を残しくれる。そこには「黒缶は苦手だ」「白身はうまかった」「ローヤルカナンのドライフードをもっと多くしてナマリをしっかりかけてちょうだい」「時々は焼魚をのっけて」「元気にがんばっています」「ちょっと調子が悪くて食欲不振」などが事細かく書かれてある。町々をグルーっと一周してから、そんなめいめいの〝置き手紙〟を受け取って持ち帰るのです。１０才オーバー、「フード命」の猫、若くピチピチした猫等々、それぞれがそれぞれの手紙をくれる。食の好みも気質も皆てんでバラバラ、フードを乗せたトレイの底に書かれた手紙を読んで、一日一日を繋げて来た地域猫活動の奥義です。

ある日唐突にドライフード派がウェットフード派に変身したり、またその逆パターンもあったりして手紙はよーく読んでやらないと一匹一匹の身に起こっている変化を見逃すことになります。食欲不振で余りが多い日や飲み水が底をつくほど減っていたら病気を疑い、「手紙」に吐血の跡があったこともありました。それにフードもろとも盗まれたり、フードに石ころやゴミが混ぜ込まれる悪戯もありました。そして、手紙が途絶えた時はスワっと「死亡通知」か「虐待などの事件が起きたのか」と心中穏やかではいられなくなります。生き物の証明、フードに託す〝やりとり〟が大事な「命の連絡帳」になっているのです。夜道を辿っていると、天に召された猫たちや忽然と失踪した猫たちから、映像がラッシュするような手紙が届くこともありますね。景色に条件反射するように、想い出の一コマ一コマが鮮明に脳裏に飛び込んで来る。『あの子はあーして出迎えたくれた』『あの子とここで一緒に腰を下ろした』と、毎時毎秒ごと無数の手紙が届くのです。


























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