猫の郵便 プラットホーム

【地域猫メイはもうこの世にいないかもしれない】アフター５のサラリーマンおあつらえ向きの猥雑な店が肩並べてひしめき合う飲み屋街、鉄腕ウンガさんから受け継いだ現場から地域猫メイが１１月寒い日に忽然と姿を消した。それから３週間になる。鉄腕さんがメイに出会ったのは２０１１年東日本大震災の後というから年を思えば８才～９才か。ただ刹那のサラリーマンが素通りする街に長年の年月に汚れた猫に救いの主が現れたとは考えられず、またメイさんはすばしっこくて安いフードで釣られるほど愚かじゃない。急な寒さが押し寄せて、冷たい夜風に逆らう術なく連れ去られたのか。地域猫たちは皆、本当に明日が分からない運命にいる。

メイさんは飲み屋街の小路で他２匹とグルを組んで連れ立っていた。僕が角を曲がってやって来たのを他の２匹が目ざとく目に入れると、２匹は僕めがけて駆け出すのではなくメイさんを呼びに行くのがいつもの眺めだった。それが・・・。メイさんが消息を絶ってから２匹の仲までバラけてしまった。何とはなしだが、２匹の突如の急変が、「メイはもうこの世にいないのかもしれない」と暗示しているように思えるのだ。込み入った雑居ビルが入り組んいるため探しようもない。わずかな慰めを求めるならば、鉄腕さんが世話した８年と僕がフードを運んだ３か月、一日もみじめな欠食児童にしなかったことくらい。姿を消したらどうにもならない。


























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