猫の郵便 プラットホーム

【みだりに】数年前にマルコ・ブルーノさんが、国会議員に動物愛護法にある文言の「『愛護動物をみだりに殺し、又は傷つける行為』の『みだり』とはどういう意味ですか？」と質問したら、国会議員の某氏は「みだり」を「みだら」と誤解したのか、それとも意味が分からず答えられない恥ずかしさか、顔を真っ赤にして立往生したという。対人の殺害の場合に付かない「みだりに」が、動物の殺害や殺傷には但し書きされる。奇妙に摩訶不思議です。あえて「みだりに」を付け、動物を殺したり傷つけたりすることに〝ゆるみ〟を与えている気がしてならない。みだりにじゃなければ、殺して良いとさえ思えます。

例えば殺人罪に「みだり」に「人を殺してはいけない」としたらどうでしょう。犯罪をつつむ環境と罪意識が俄然変わりますね。そして裁判は「みだりに殺したんじゃない」論争になり、「正当な殺人」と免罪判決にさえなりかねない。動物の殺傷にわざわざ「みだりに」と修辞して、曖昧へ誘うのには相応の理由がある気がしてならない。「産業の動物利用には手をつけません」という意思が隠されているのか、文言「みだりに」一つ付けることで動物虐待防止ははかどらず、先進国では例がない動物の生体実験し放題のデストピアである。スイスでは生きたままエビを熱湯に入れるのを禁止する法ができたのにです。

「みだりに」の意味は、「（規制を受けずに）勝手気ままなさま。考えの浅いさま。思慮のないさま。秩序のないさま。正当な理由や資格もなく行うさま～」と辞書に載っているが、主観に委ねられ過ぎ「動物虐待へのボカシ効果」の印象をぬぐえない。故にペット産業は法の網をかけられず、処分数が公表されることはなく、ペット業の犯罪行為が明るみにされず、動物たちが流す血の上でぬくぬく営利を貪る悲しい現状です。８週齢以前の犬猫の生体販売の禁止などの重要問題は数々だが、動物を「器物」と定義したり、「みだりに～」と虐待を緩和する根本を変えないと、動物虐待の歴史を止めることはできない。


























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