猫の郵便 プラットホーム

【行きずりに「殺すぞ！」と声がして】捨て猫して平気で暮らす人間ばかりでなく、捨て犬して飄々暮らす人間ばかりでなく、嘘と開き直りが常道の政治家ばかりでなく、平たくしてどこにも正義も美しさもない世の中、同じ人間であるのが嫌になるくらい考えられない事件が立て続けて起きている。直近から拾うと、大阪／２歳の女児が５階ベランダから投げ落とされた事件、走る新幹線で通り魔殺人事件、ＳＮＳを利用した静岡女性連れ去り遺棄事件、目黒区５歳児虐待死事件・・・等々、「どうしてそんなことができるんだ」と自分の視聴覚を疑う異常精神の激しいほとばしりです。でも、心のどこかで「あり得るね」と反響する声も同時に響いている。地域猫活動で世間に身をさらし感じて来た街の肌ざわりがそこから伝わるからです。

ネットの余熱冷めやらないのか、活動中に「死ね！」「反日！」「殺すぞ！」と凄まれたのは一度や二度じゃない。モンスター・クレーマーのあられない再現不能の罵詈雑言ならシャワーのように浴びた。どこにでも居る平均的な顔をして口から悪魔の言葉がポンポン飛び出す。彼らだって父母の顔だったり、どこかの善い子の顔を持っているだろうに、感情に駆られると見境なしに激情する。犯罪ではないが、真夜中の２時３時に３歳以下の子を引きずって遊び歩く姿など珍しくなくも何ともない。世情さくばくと〝永遠廊下〟のように続いていて、「この先は腐った道」と息を殺すのに慣れ染めた。いつでも魔物に反転する人間という生き物、いつも自分が正しいと言い張るほど不遜じゃないが、来る者は魔物と思うのが護身術というもの。

世の中、何食わぬ顔して平然と物騒です。特に都会の真夜中なら当たり前のように毒をはらんでいて・・・。つい先だってのこと、足元にワイワイという猫を待たせ、下準備に手を汚していたら、素早い足取りで男が通りかかり、すれ違いざまに「殺すぞ！」と発した。気配去る方をふり向くと「気のせい」と声を残しスタスタと歩き去った。男は５月２４日の記事に書いた〝あの男〟の後ろ姿に見えた。「殺すぞ！」の後に「気のせい」を用意する周到、人が嫌がるのを見て喜ぶ性質（たち）、一度言って留飲を下げたかっただけか。しかし、時間が過ぎてから、「あれがもし、言葉ではなくナイフだったら」と思ったらゾッとした。立ち止まってする給食活動は、両手ふさがる全く無防備状態、一瞬の隙を狙われたら何にもできない。はふ。


























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