猫の郵便 プラットホーム

【引継ぎから２か月過ぎて】リアムさんと鉄腕さんの現場を引き継いだあの頃は、夏空に太陽が焦げて木にセミがジリジリけたたましく鳴いていた。そうこうして、あれから息つく暇なく「あっ」という間に２か月が過ぎて、何やら訳も分からず時間に追いまくられ、気づけば地域猫たち隠れる現場の陰から秋の虫の音が聞こえて空気ひんやりと、冬の冷たい北色にうめつくされるのももうじきだろう。この２か月間、怒涛の洪水のように時間が流れ過ぎた。

日々が疾風、「もうこんな時間、出かけなくちゃー」と時計がくるんくるん回りに回る。「おっとっとっ」と転びそうになって、玉乗りのピエロさながら滑稽まる出しにして、急変した活動の量を体にしみ込ませている。始まりは倍にふくらんだ仕事量に「困難な道」と見えていたが、引き受けた猫たちも物覚え良く馴れてくれた。同時に、癌という形勢不利な勝負に挑む鉄腕さんの後ろ姿をふと見て、僕の中のネガポジが反転したのが活動への心を変えた。

地域猫活動を世の中の仕事に照らせば、時給０円／超過残業／資金持ち出し＆リターンなし／パワハラ＆セクハラあり／ボーナスなし／免許＆資格にならない等、見返りを期待したら生産性のないマイナス事業。でも、虚を突いて思い当たったんです。『これを自分の人生の大事な表現行為と見よう』と内心の声がした。その時からです。疲れを苦にしなくなったのは。使役される労働と思ったら苦しいだけ、生きる全ては芸術活動と目線変えをしたのです。

実際に「作る仕事／創造する仕事」となると、〝食う寝る遊ぶ〟をどこかにほったらかしにして、無我夢中になる持って生まれたキャラクターがありますからね。地域猫活動を「餌やり」とシニカルに冷笑する人たちがいるけど、外猫たちに慕われ胃袋を満たして明日へ命渡しするって「これってアート！」と、目からウロコが落ちるように地域猫活動の夜空に観音開きの扉が開いたのです。これまでに無かった物を作る。これほど最高に楽しいことはない。

























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