猫の郵便 プラットホーム

【コロナが櫛引を遠ざける】埼玉県深谷市櫛引、ひとりの変態的欲望を持った男のために１３匹の猫たちがあらん限りの虐待を受け苦しみの末に息絶えた所番地だ。東京から埼玉へなら、すぐに行って帰って来れそうだが、コロナの憂うつが遠くない距離を無限に遠ざけている。パンデミックが鳴りを潜めるまで行ける見通しが立たない。埼玉へ行きの電車が早朝でガラガラでも、用事を済ませて東京に帰る上りの電車はけっこう混む時刻である。第一波でコロナが鎮まり、このまま終息するのかと見えていた矢先に、第二波を思わせる揺り戻しが来ているようだ。不要不急の東京からの移動には注意勧告が出されたため、コロナが引くまで櫛引に行けそうにない。

皮肉にも毎日の地域猫活動を終える終着地が、ＪＲ駅埼玉行きのホームが見える目と鼻の先、そのまま電車に飛び乗れば櫛引まで気楽にひとっ飛び出来そうだが、コロナの病禍が近くて遠い櫛引の空を更に遠ざける。だけど、どんなことも後がない一人っきりの活動シフトになった以上は、絶対安全の行動を心掛けて自覚して身を守らなければと思う。櫛引行きで活動が共倒れになっては元も子もない。空は逃げずに繋がっているから、ホームから立ち去る高崎行き電車のシッポに「忘れていない」思いを目線で託している。今年の夏は鉄腕さんが「紙の署名活動をやる」と口火を切った時空の先に思いを馳せ、１３匹が散った空の青に自分の心の今を重ねている。






























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