猫の郵便 プラットホーム

【何故か空し】月末になると、月末の支払いとやり繰りと手続きで、郵便局や銀行やクロネコヤマトや色んな所を自転車で町巡りをする。移動手段が自転車なのは、「１円でも無駄なお金は使わない」節約のためです。北は銀座、南は田町や品川、西は青山まで、全て坂の多い道を人力が動力の自転車で動き回っている。タクシーやバスや電車みたいに待ちや人為的な手続きを省けるので、世捨て人の身心にはこれはこれでけっこう快適である。ひとり猫の郵便になって、活動を持続可能にするために、節約や生活の見直しなどありとあらゆる身の引き締めをしている。

ですけど、自転車で世間に身をさらすことになると、思わぬ所で思わぬ人とバッタリ遭遇するはめになる。気づかないふり知らんぷりして通り過ぎようとするけど、呼び止められたらどうしようもない。立ち止まるしかない。それで一番イヤなのは、「あの方、元気ですか？」と鉄腕さんのことに話題を振られることです。内心で「この人、ブログ見てない、１年半の間に３秒も３分も僕らの活動に注意を払わなかった人が、『元気？』などよく言う」と心荒ぶるが心の内を矢庭に出すほど子供じゃない。「まあね」と交わして、先を急いでいるふりしてグッバイする。

スノッブな口先のお愛想や心のない挨拶など今は真っ平なのだ。１年半の間、鉄腕さんのことはここで告知している。１年半の長い時間幅の中で、一瞬間さえ関心を払ってもらえなかったことでもう十分過ぎるほど十分なのだ。何も言わず、去るのみが、お互いさま、空しさよぎるが、永遠に遠ざかってやむなし。㍉も思いがない人に心を求めても詮無い。意味がない。奇しくも、苦しくも、死して鉄腕さん、浮世の白黒を教えてくれた。花なら僕が買ってやる。心残りや遺し思いは毎日の活動を花とする。花と捧げる。こうしてオルフェの仕事を全うするだけである。



























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